主催: 基礎有機化学討論会組織委員会
共催: 日本化学会, 近畿化学協会, 大阪大学大学院グローバルCOEプログラム「生命環境化学グローバル研究教育拠点」, 有機合成化学協会(協賛), 日本薬学会(協賛)
ピレン-4,5-ジオンは大きな双極子モーメント(6.1~6.7D)を有するため、結晶中では互いの双極子を相殺することで同一分子の無限集積構造を形成する。今回、かご状錯体を利用することで、溶液中でピレンジオンの有限集積体を選択的に構築することに初めて成功した。実際に、パネル状の三座配位子、約1 nmのピラー状の二座配位子、シス位を保護したパラジウム錯体およびピレンジオンを水中で混合することで、有機ピラー型かご状錯体内にピレンジオンの3重集積体を一義的に構築した。この構造はNMRおよびX線結晶構造解析によって決定した。さらに、ピラー配位子の長さを調整することにより、ピレンジオンを5重まで段階的に集積することに成功した。