主催: 基礎有機化学討論会組織委員会
共催: 日本化学会, 近畿化学協会, 大阪大学大学院グローバルCOEプログラム「生命環境化学グローバル研究教育拠点」, 有機合成化学協会(協賛), 日本薬学会(協賛)
9,10-ジメチルアントラセンのアセトニトリル溶液に一電子酸化剤である [Fe(bpy)3]3+(bpy = 2,2'-bipyridine)を添加すると、近赤外領域にπダイマ ーラジカルカチオンに由来する幅広い吸収帯が観測された。またさらに大きな π系を有する亜鉛フタロシアニン誘導体についても同様に一電子酸化すると、 アントラセンの場合よりも短波長側に幅広い吸収帯が観測された。一方、9-シアノアントラセンの[Ru(bpy)3]3+による電子移動酸化反応速度を追跡すると、得 られた擬一次速度定数はアントラセンの濃度に二次の依存性があることが分かった。これはダイマー生成によって自己触媒的に電子移動酸化が起こったため である。