主催: 基礎有機化学討論会組織委員会
共催: 日本化学会, 近畿化学協会, 大阪大学大学院グローバルCOEプログラム「生命環境化学グローバル研究教育拠点」, 有機合成化学協会(協賛), 日本薬学会(協賛)
一般に、π共役分子にスピロフルオレン骨格を導入することで、分子の剛直性や平面性、熱安定性が向上することが知られている。近年、ラダー型分子にスピロフルオレン構造を導入する研究が活発に行われているが、その多くがフルオレン系の化合物に関するものである。今回、我々はフランやチオフェンのような芳香族複素環が縮環したジスピロフルオレン化合物を合成した。X線結晶構造解析の結果、分子内で互いに向かい合う位置にあるフルオレン間の距離が、フラン体では3.89から4.84 Åであったのに対し、チオフェン体では3.60から3.70 Åとその距離が短くなっていることが明らかになった。