超原子価炭素化合物に関する理論的研究

抄録

秋葉らは3中心4電子超原子価結合の概念に基づき、オクテットを超え、中心炭素原子が形式的に10個の価電子を収容する安定な5配位超原子価炭素化合物(10-C-5)を合成した。 本研究では、同様の概念に基づき12個の価電子を収容する、6配位超原子価炭素化合物(12-C-6)の安定構造が存在することを量子化学計算により示し、またその誘導体における置換基の影響を解析し、より安定な超原子価結合を有する12-C-6化合物を提案する。