主催: 第37回構造有機化学討論会実行委員会
共催: 日本化学会, 日本化学会北海道支部, 北海道大学 グローバルCOE(化学), 「触媒が先導する物質科学イノベーション」, 有機合成化学協会(協賛)
多環式芳香族炭化水素の発がん機構において、カルボカチオンは重要な中間体である。これまで、超強酸を用いて、多環式芳香族炭化水素からカルボカチオンを発生させ、中間体カルボカチオンの電子構造を低温で直接NMR観測を行うことによって調べてきた。今回、置換位置の異なる17種類のアルキルベンゾ[a]アントラセンについて実験を行い、アルキル置換基の効果について検討した。その結果、7位あるいは12位の芳香族炭素でプロトン化し、置換基の位置によってその比率が変化することがわかった。さらに、DFT計算によって、熱力学的な安定性を調べ、観測されたカルボカチオンとの比較検討をおこなった。