共催: 日本化学会, 日本化学会九州支部, 有機合成化学協会(協賛)
9-アントラセン置換体は光反応により,Head-to-tail型又はHead to-head型の二量体を生じるが,多くの場合,アントラセン芳香環の9位置換基立体障害により主にHead-to-tail二量体を生じる。アミノアルキルアントラセンをCO2と反応させ,Carbamic acid又はCarbamateを形成することにより,アントラセン誘導体の光二量化反応を制御できると考えられる。3-(9-Anthryl)prppylamine (APA),2-(9-Anthryl)ethylamine (AEA)について検討した。溶液中光反応ではHead-to-tail型が主生成物でHead-to-head型は得られなかった。Arを吹き込んだ場合はほぼすべてにおいて光照射によって副反応が起こった。またCO2を吹き込むとHead-to-tail型の収率は高くなった。APA,AEA carbamateの固相光反応でもHead-to-head型を得ることはできなかった。APA carbamateではHead-to-tail二量体の収率は0%(転換率0%)であったが,AEA carbamateではHead-to-tail二量体の収率は0%(転換率0%)で副生成物としてAnthraquinoneが約5%生じた。現在9-anthrylmethylamine (AMA)について取り組んでいる。