基礎有機化学討論会要旨集(基礎有機化学連合討論会予稿集)
第53回有機反応化学討論会
セッションID: P-91
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炭酸ガスを用いたアミノアルキルアントラセンの光反応の制御
*堀口 雅弘伊藤 義勝
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抄録

9-アントラセン置換体は光反応により,Head-to-tail型又はHead to-head型の二量体を生じるが,多くの場合,アントラセン芳香環の9位置換基立体障害により主にHead-to-tail二量体を生じる。アミノアルキルアントラセンをCO2と反応させ,Carbamic acid又はCarbamateを形成することにより,アントラセン誘導体の光二量化反応を制御できると考えられる。3-(9-Anthryl)prppylamine (APA),2-(9-Anthryl)ethylamine (AEA)について検討した。溶液中光反応ではHead-to-tail型が主生成物でHead-to-head型は得られなかった。Arを吹き込んだ場合はほぼすべてにおいて光照射によって副反応が起こった。またCO2を吹き込むとHead-to-tail型の収率は高くなった。APA,AEA carbamateの固相光反応でもHead-to-head型を得ることはできなかった。APA carbamateではHead-to-tail二量体の収率は0%(転換率0%)であったが,AEA carbamateではHead-to-tail二量体の収率は0%(転換率0%)で副生成物としてAnthraquinoneが約5%生じた。現在9-anthrylmethylamine (AMA)について取り組んでいる。

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© 2003 基礎有機化学連合討論会
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