2013 年 2013 巻 64 号 p. 35-39
2010年4月,北海道内で貯蔵中のジャガイモ塊茎に灰黒色の浅い陥没病斑の発生が確認された.病変部から分離した菌株の形態および病原性を調査した結果,本症状がAlternaria solani による病害であるとともに,本病斑がジャガイモ夏疫病の塊茎病斑であることが明らかとなった.同病の塊茎病斑の発生を国内で初めて確認した.また,ジャガイモ8 品種・系統に対する夏疫病の発病差異を室内および圃場で検定した結果,塊茎病斑の発病差異は品種間で明瞭で,品種「ゆきつぶら」および育成系統「北育18 号」で発生が多いことが明らかとなった.また,品種による発病の多少は,茎葉と塊茎で必ずしも序列が一致しなかった.