2014 年 2014 巻 65 号 p. 129-134
カスミカメムシ類による加害晩限を圃場での袋かけ試験により検討した.試験は2012 年,2013 年の2 か年行った.穂揃期のイネの穂に袋をかけてカメムシの加害から保護した後,時期をずらして除袋し,そのまま収穫時まで暴露した.試験圃場には定期的にアカヒゲホソミドリカスミカメ成虫を放虫した.暴露開始(除袋)時期別に玄米の褐変程度を調査し,穂揃期以降いつまで加害が起こりうるのかを確認した.この結果,2 か年ともイネの収穫適期あるいはその直前に暴露を開始した穂でも褐変程度の高い玄米の混入が確認され,カメムシによる加害はイネの収穫適期以降も起こりうることが明らかとなった.また,カメムシ加害に起因する白斑粒は,主に登熟後半に発生するものと考えられた.