2014 年 2014 巻 65 号 p. 37-41
北海道内で発生したテンサイ西部萎黄病の病原ウイルスであるビート西部萎黄ウイルスのゲノム塩基配列を解析した.清水株は,5670 塩基(b)からなる全長ゲノム塩基配列を保有していた.6 分離株については,5.5kb のゲノム部分塩基配列を解読し,分子特性を解析した.系統解析を行った結果,道内由来のBWYV 株は単一のクラスターを構成した.またその中でも清水株だけが他とは異なる分枝を示した.相同性解析においても,道内産分離株間の相同性は高く保存されていた.したがって,現在北海道で発生しているBWYV は,その由来が単一であるが,複数の分離株が存在していることが強く示唆された.