2017 年 2017 巻 68 号 p. 247-252
宮城県におけるクモヘリカメムシの分布地域を明らかにするため,2014~2016年の3カ年に県内各地に設置したフェロモントラップへの誘殺の有無と冬期間の気温との関係を解析し,メッシュ農業気象データを利用した宮城県内の詳細な分布可能地域の推定を行った.その結果,本種の発生の有無は厳寒期である2月上旬の最高気温との関連が大きく,この値が4.7°Cを超える地域では成虫の越冬が可能となり,翌夏に越冬世代成虫が発生する確率が高いと考えられた.メッシュ農業気象データによる解析結果から,この温度を超える地域は県南地域に多くみられ,これらが本種の分布可能な地域と推定された.これらの地域は,本種の発生確認地域と一致した.