2017 年 2017 巻 68 号 p. 242-246
クモヘリカメムシの分布の北限地域である宮城県南部での発生回数を明らかにするため,2015年と2016年に県南部の丸森町の休耕地と周辺水田において,すくい取り調査および休耕地で捕獲された雌成 虫の卵巣発育程度の調査を行った.その結果,クモヘリカメムシは休耕地ではイネ科雑草の出穂状況に応 じて越冬世代成虫の飛来後2世代経過あるいは第1世代成虫の飛来後1世代を経過し,水田ではイネの出穂期頃に越冬世代または第1世代成虫が飛来し,その後1世代を経過した.9月上旬以降に捕獲された雌 成虫は,卵巣が未発達な生殖休眠状態の成虫の割合が増加した.以上から県南部では,クモヘリカメムシ は年2回発生していると考えられた.また,休耕地で増殖した第1世代成虫の発生時期と隣接水田での出 穂時期が重なる品種や栽培体系の導入は被害が大きくなる可能性が示唆された.