2017 年 2017 巻 68 号 p. 74-80
定植前のふすま混和と転炉スラグによる土壌pH矯正が,ネギ黒腐菌核病の発病に及ぼす影響を調べた.試験は上川農業試験場内2棟の人工汚染圃場で定植時期をずらして2回実施した.3月に定植した試験1では,転炉スラグによって土壌pHを7.5~8.0に矯正することで発病が軽減され,併せてふすまを混和することでその効果がさらに高まった.4月に定植した試験2でも,試験1に比べやや効果は劣るものの同様の傾向が認められ,両資材の併用処理が本病の耕種的対策技術として有望であることが示された.また,各処理が土壌糸状菌相に及ぼす影響をPCR-DGGE法により解析した結果,ふすまの施用によりActinomucor属,Chaetomium属,Moriterella属に近縁な一部の糸状菌群が優占することがわかった.この知見は,ふすまの施用にともなう発病軽減の作用機作を明らかにしていくための端緒となる.