2018 年 2018 巻 69 号 p. 10-12
2017年8月,青森県六戸町のゴボウ栽培圃場で葉身および葉柄に黒条症状が発生した.罹病部位からは糸状菌が分離され,分離菌の接種により原病徴が再現された.本病菌のYMA平板培地上の培養菌叢は白色で,菌糸には膨らみ細胞および隔壁にクランプが形成された.無色,半月形~卵形の射出胞子の形成が認められ,その大きさは13.0~17.3×8.3~11.5 μmであった.以上のことから,分離菌をItersonilia perplexans Derx,本症状をゴボウ黒条病と同定した.青森県内における本病の発生確認は本事例が初めてである.