2018 年 2018 巻 69 号 p. 50-54
2015~2017年に管理が異なる近接したアスパラガス2ほ場(露地栽培:Aほ場およびBほ場)において疫病の発生推移を約2週間間隔で調査した.3カ年ともAほ場はBほ場より本病の発生が多かった.Aほ場の発生は2015年と2016年が立茎中の6月から9月中旬まで増加し,その後,2015年の発生は停滞し,2016年は9月末まで増加した.発病株率は2015年が60.7%,2016年は72.0%に達した.2017年は,立茎後の6月下旬から8月上旬まで発生が増加した(発病株率は40.0%).一方,Bほ場では常に発病株率が13.0%以下であり,発生推移はAほ場ほど明瞭ではなかったが,その傾向は概ねAほ場と同様であった.発生程度と気象条件を解析した結果,発病は平均気温が20℃を超える時期の降雨後に増加する傾向が認められた.発生が少なかったBほ場では,殺菌剤の散布と罹病茎のほ場外搬出を実施しており,両処理の両方または一方が,Bほ場において発生が少なかった要因であると考えられた.