桐生大学紀要
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大腸菌における緑色蛍光タンパク質の発現に対する糖と pH の影響
小林 葉子
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研究報告書・技術報告書 オープンアクセス

2021 年 32 巻 p. 19-26

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抄録
大腸菌を利用したタンパク質発現系の 1 つに pET プラスミド系を使用するものがある.緑色蛍光タンパク質(GFP)は,緑色の蛍光を持つタンパク質であり,生細胞内でタンパク質を検出することができる.GFP 遺伝子 gfp を挿入した pET プラスミドで大腸菌 BL21(DE3) を形質転換し,タンパク質の発現に対する糖の影響とそれに付随する pH 変化を検討した.GFP を発現する大腸菌は,グルコース,ガラクトース,フルクトース,マルトース,ラクトース,スクロース,トレハロースを含む条件下で培養した.室温で 24 時間培養した場合,大腸菌の増殖に対して糖の影響はなかった.しかし,グルコース,フルクトース,マルトースを含む条件で培養した場合,GFP の発現量は少なく,また,培養液の pH は,6.0 以下に低下した.一方,糖無添加及びガラクトース,ラクトース,スクロースを添加した条件で培養した大腸菌は,多くの GFP を産生し,また,大腸菌内の pH は 6.6 以上を示した.大腸菌内外の pH 変動は,大腸菌内の様々な代謝を反映する.この結果は,糖の利用の違いによる pH 変動が,T7lac プロモーターに制御されるタンパク質の発現に影響を与えることを示唆した.
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© 2021 桐生大学・桐生大学短期大学部
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