北日本病害虫研究会報
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岩手県におけるナシ黒星病菌によるニホンナシえき花芽りん片への感染時期に関する考察
中村 太紀 薄衣 麻里子及川 耳呂菅 広和
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2018 年 2018 巻 69 号 p. 60-62

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抄録

近年,岩手県一関市におけるニホンナシ栽培において,ナシ黒星病が多発傾向にある.ニホンナシ主産県である千葉県では,本病防除法として秋季防除が重要視されているが,本県では秋季防除を含めた本病の防除体系が確立されていない.そこで,本県における秋季防除法の確立に向け,秋季防除時期推定の根拠とされる長果枝におけるえき花芽りん片生組織の露出時期,落葉時期および感染適温の出現時期について調査した.その結果,本県における本病原菌の秋季感染時期は,平均気温が感染適温である15~21 °Cで,なおかつ長果枝におけるえき花芽りん片生組織の露出する芽の割合が増加し始める頃から,新たに露出する芽の割合が減少する頃までの期間,すなわち,9月中旬~10月中旬と推定された.

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