2018 年 2018 巻 69 号 p. 63-66
2008~2017年,岩手県花巻市のリンゴ園においてモニリア病の発生消長を調査し,葉腐れの感染並びに第一次伝染源の子実体IV型の形成に関わる降雨条件について解析した.感染日は,葉腐れにおける潜伏期間中の積算日平均気温に基づいて,10年間で合計29回を特定した.感染日における降雨は降水量5 mm以上が89.7%(26回)および降雨時間6時間以上が93.1%(27回)を占めた.感染始期に関わる子実体IV型の形成は,リンゴの発芽3~12日後(平年:発芽8日後),感染盛期に関わるものは展葉1日前~展葉5日後(平年:展葉1日後)に認められ,どの時期でもIV型形成の1~4日前に降水量5 mm以上のまとまった降雨があった.