2019 年 2019 巻 70 号 p. 190-193
2018年11月に福島県のポインセチア栽培施設でモトジロアザミウマの発生が初めて確認された.寄生が確認された施設周辺のポインセチア栽培施設を調査した結果,本種は最初に確認された施設以外では発見されなかった.
この施設から採種した成虫を用いて,薬剤5剤の防除効果を検討した.その結果,スピネトラム水和剤が高い防除効果を示し,ペルメトリン乳剤は防除効果が認められたものの,その効果は低かった.
また,タネツケバナに成虫を放飼し,産卵・定着したものを用いて,2月に屋外で飼育し耐寒性を調査した.1週目の毎正時温度平均3.7 °Cでは,成虫の生存が確認されたが,2週目に最低気温が氷点下となった後には,成虫の生存は確認されなかった.しかし,成虫が死亡した試験区でも,屋外から回収後,加温1週間で幼虫が確認されたことから,1ヵ月程度の低温では生存が可能であると考えられた.