2019 年 2019 巻 70 号 p. 72-75
2018年7月,青森県六戸町においてナスに萎凋症状が発生した.本症状を呈した株は,葉が萎凋し生育が抑制されており,重症株では落葉が激しく,いずれの個体も根は褐変腐敗していた.根を切断すると,中心柱の褐変が認められた.分離菌株について形態観察,ナスに対する病原性の確認,および遺伝子解析を行った結果,分離菌をPhytophthora glovera,本症状をナス根腐疫病と同定した.青森県におけるP. gloveraによるナス根腐疫病は初めての報告である.