2021 年 2021 巻 72 号 p. 141-144
2016~2020年にかけて福島県内のリンゴ園地から採集したリンゴハダニ22個体群に対する数種殺ダニ剤の効果を検討した.その結果,雌成虫では,BPPS水和剤,アセキノシル水和剤,ビフェナゼート水和剤,テブフェンピラド水和剤,シフルメトフェン水和剤,シエノピラフェン水和剤,ピフルブミド水和剤,卵では,スピロメシフェン水和剤の8剤で低い効果を示した.2009~2020年までの会津美里町および会津坂下町の地方防除暦に記載された殺ダニ剤の履歴を調査した結果,シフルメトフェン水和剤(記載回数7回)は10個体群中7個体群,ピフルブミド水和剤(記載回数3回)は11個体群中6個体群と検定した半数以上の個体群で低い効果を示した.一方,ミルベメクチン乳剤(記載回数12回)は,低い効果を示す個体群(9個体群供試)は認められなかった.