北日本病害虫研究会報
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ニンニク圃場における反射マルチを利用したアブラムシ類有翅虫の飛来抑制効果およびリーキ黄色条斑ウイルス(LYSV)感染低減効果
近藤 亨
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2022 年 2022 巻 73 号 p. 9-13

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抄録

アブラムシ類有翅虫の飛来抑制効果が知られている反射マルチをニンニク圃場において使用した場合の,アブラムシ類有翅虫飛来抑制効果およびリーキ黄色条斑ウイルス(LYSV)感染低減効果を調査した.飛来の多い春夏期にアブラムシ類有翅虫を黄色水盤トラップにより捕獲調査したところ,反射マルチ区は透明マルチ区(対照)と比較してアブラムシ類有翅虫の飛来数が66~72%減少していた.また,次世代ニンニクについてティッシュブロット法によりLYSV検定を行ったところ,反射マルチ区は透明マルチ区と比較してLYSV陽性株率が42~59%減少していた.これらのことから,ニンニク圃場における反射マルチの利用は,ニンニクへのアブラムシ類有翅虫の飛来を抑制し,LYSV感染を低減することが可能であり,LYSVによる被害の軽減に有効であると考えられた.

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© 2022 北日本病害虫研究会
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