北日本病害虫研究会報
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ニンジン円板法による軟腐病菌の検出の培養温度について
富樫 二郎坂本 正幸
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1969 年 1969 巻 20 号 p. 138-147

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抄録

ニンジン円板法で土壌中の軟腐病菌を有利に検出できる条件を設定するために培養温度が検討された。
1.土壌から高頻度で検出されるB. polymyxaは30℃~35℃で人工培地や殺菌土壌で活発に増殖し, この温度でハクサイやニンジン組織に軟腐病斑を迅速に形成する。
2.軟腐病菌は15℃~20℃でも増殖することができ, ハクサイやニンジン組織に軟腐病斑を形成することができる。
3.ニンジンやハクサイの組織は30℃~35℃で培養するとB. subtilisの汚染で腐敗する。また夏期には市販のニンジンはE. aroideaeの汚染によって頻繁に腐敗する。
4.ニンジン円板法において培養温度を20℃にし, 24時間~48時間培養することにより軟腐病菌の検出を有利にし組織自体の汚染による腐敗も回避できることを指摘した。人工培地による増菌法についても検討した。

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