北日本病害虫研究会報
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本田における葉いもち蔓延開始時の気象条件
佐々木 次雄加藤 肇
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1971 年 1971 巻 22 号 p. 38-43

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抄録

1961~1964年に2.5a, 1964~1968年に約4~5ha, 1965~1968年に約50勿の圃場で同一時期に感染したと推定される等質の葉いもち病斑を, 同一葉位の葉身に圃場内一様に発見した日を蔓延開始期とした。類似の気温条件下で噴霧接種によって得た病斑進展速度の調査結果と, 関口・古田の潜伏期間推定式とから推定侵入日を求めた。前者には前2日, 後者には前1日の幅をもたせ推定侵入期間を求めた。そして, その間の気象条件を記録によって検討した。
1) 8年間を通じて, 各推定侵入期間の最低気温は13.8~21.3℃, 最高気温は19.5~29.6℃, 日平均気温は17.2~23.7℃ であった。直前には降水日があり, 期間中夜間に無降水の日が1日以上あった。20時から2時までの風速は高さ6mで00~4.0m/secの範囲であった (ただし, 風速は1963~1967年の結果)。
2)「最低気温17℃ 以上が2日続き, 2日以上の降水日があった後の晴間 (曇天または晴天) が侵入日であると推定される。天気図によると, 低気圧が北日本東方洋上に移動し, 新しい低気圧が九州南西にあり, 日本海側の高気圧によって梅雨前線が南下している時期である。この推定侵入日より6~8日目に葉いもち病斑が発現する」と予測される。

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