北日本病害虫研究会報
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シミュレーションモデルによる紋枯病の発生予測
第8報防除要否
太田 恵二
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1995 年 1995 巻 46 号 p. 26-29

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抄録

イネ紋枯病 (Thanatephorus cucumeris (Frank) Donk) の防除時期が発病・収量に及ぼす影響と防除要否について検討した。防除時期は被害度の曲線下面積で比較すると出穂直前散布が最も少なく, 防除時期が遅くなるにしたがい多くなった。精玄米重は出穂直前散布が最も重く, 防除時期が遅くなるにしたがい軽くなった。防除要否の判定は, 出穂直前, 穂揃期そして出穂13日後の被害度から推定した被害度の曲線下面積が, 設定した5%減収量の被害許容水準をいずれも越えていることから, 困難と考えられた。
一方, 1992年と1994年の調査から求めた5%減収量となる被害度の曲線下面積は, 過去に試験した中で, 1988年, 1991年および1993年の被害度の曲線下面積とほぼ一致した。このように年次によっては被害許容水準内の発生となることから, その年の発生量の的確な予測が防除要否の判定に必要と考えられた。

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