1995 年 1995 巻 46 号 p. 63-67
現在, ジャガイモそうか病の抵抗性品種の育種は, 交配実生からの抵抗性個体の選抜を汚染圃場の抵抗性検定で行っているが, 効率化を図るために室内で実施できる簡易検定法の開発を試みた。そうか病の人工汚染土のポヅトで栽培した交配実生集団の塊茎の発病は, 両親の抵抗性と関係した。また, 繰り返して汚染土で栽培した塊茎の発病との間に世代相関が認められ, 抵抗性検定による選抜効果も認められた。人工汚染土で塊茎の発病を調べる方法は抵抗性検定法として利用できると考えられた。一方, 暗所で塊茎から生じた軟白萌芽茎に菌液を浸した紙を巻き接種したところ, 発病は罹病性品種で顕著であり, 萌芽茎への接種も簡易な抵抗性検定法として利用できると考えられた。これらの検定法は温室内で年間を通して実施可能で, 現在行われている抵抗性個体の選抜過程に組み込むことによりその効率化に有用と思われる。