2000 年 2000 巻 51 号 p. 26-30
イネいもち病病斑からの本菌の飛散による二次感染に対するフサライドの阻害効果を圃場試験により検討した。フサライド処理区ではイネいもち病菌の飛散胞子数が減少し, 区内に設置したイネ苗における感染が顕著に抑制された。また, 温室内ポット試験およびシャーレ試験によると, フサライドは胞子形成数をあまり抑制しなかったが, 病斑あるいは菌叢から離脱して落下する胞子数を減少させ, 二次感染阻害にはこの胞子離脱阻害作用が主に関与することが示唆された。また, 胞子のメラニン化阻害と形態の異常が観察され, 二次感染阻害作用との関連が推察された。