北日本病害虫研究会報
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ピラクロストロビン・ボスカリド剤のリンゴ輪紋病に対する防除効果および果実への残留特性
尾形 正菅野 英二
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2006 年 2006 巻 57 号 p. 114-117

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抄録
福島県におけるリンゴ輪紋病の重点防除時期は6月中旬頃から8月上旬までであり, 従来の有機殺菌剤による防除では7~10日間隔で散布されてきた (3). そこで, 新規殺菌剤であるピラクロストロビン・ボスカリド剤 (商品名: ナリアWDG) について散布間隔を変えて本病に対する防除効果を検討したところ, 対照のキャプタン・有機銅剤の10日間隔散布と比較し, 15日間隔や20日間隔でも高い効果が得られた. このことから, 本剤を連続散布することにより, これまでよりも散布間隔を長くすることができ, 梅雨期 (6月中旬~7月下旬) の防除回数を1回削減可能であることが明らかとなった. また, この時期における本剤有効成分の果実表面単位面積あたり付着量は散布直後に比べ, 散布10日後, 15日後, 20日後にボスカリドは72%, 37%, 29%に, ピラクロストロビンは50%, 20%, 12%と順次, 減衰しているが, 15日後頃の両成分の付着量でも十分な防除効果が得られる量と判断された.
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