北里大学一般教育紀要
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原著論文
北里大学における一年次生の体力について
──平成22年度新入生と文部科学省報告(21年度)結果との比較及び平成12 年度新入生との比較──
西垣 昭
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2011 年 16 巻 p. 63-69

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抄録

 北里大学における平成 22 年度新入生体力測定の結果と、平成 21 年度文部科学省「体力・運動能力調査結果 :18 歳」体力テスト結果を比較し、今後の学生生活において個々の体力の認知、維持・向上を目指す事が出来るよう本研究を行った。また、測定内容に変更がなく比較可能な二種目において平成 12 年度新入生との比較を行った。
 その結果、文部科学省の結果と比較をすると、女子は握力が全国平均より低いが、反復横とびは高く、有意差がみられた (p<0.01)。男子は反復横とびにおいて文科省の平均値が 56.3 回に対し、本学は53.7 回と差がみられ有意に低い値であった (p<0.05)。
  次に、平成 12 年度と平成 22 年度において測定方法に変更がない「握力」と「踏み台昇降運動」について比較をしてみた。
 その結果、握力においては女子が27.4kgから25.9kgと低下し有意差がみられた (p<0.05)。踏み台昇降運動においては男子が60.3から54.7と大きく低下し有意差がみられた (p<0.01)。
 以上の結果から、女子の握力低下、男子は反復横とびは標準より低く、踏み台昇降運動においては10 年前より低下しており、今後注視する必要があると考える。これからの学生生活の中で、如何に体力を維持・向上させることを意識し、実践させる環境づくり ( 運動時間の増加 ) を体育教科だけにとどまらず大学組織全体として提供することが必要であると考える。

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