北里大学一般教育紀要
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スロヴェニア文学におけるウィーン像
三田 順
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2016 年 21 巻 p. 85-102

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抄録

オーストリア文学史ではこれまでにもスロヴェニア文学におけるウィーン像が扱われてきた。マリーア・ヴェーラ・クラリツィーニは、浩瀚な著書『磁石としてのウィーン Wien als Magnet』(1996)でスロヴェニア作家イヴァン・ツァンカルとウィーンの関係を論じている。またシュテファン・ジモネク(2004)は、特にツァンカル作品におけるウィーンの公園の役割に焦点を当てた、より独創的な考察を行っている。スロヴェニアでこの問題に取り組んだ中心的研究者は当然ながらフランツェ・ベルニク(1998)である。これまでの研究ではツァンカルが主な考察対象となってきたが、本論はウィーンを描いた他の作家たちにも目を向け、スロヴェニア人のウィーン像に認められる幾つかの定数を示したい。

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