日本航空宇宙学会誌
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JAXAにおけるソーラーセイル展開展張技術の開発経緯(<特集>小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS(イカロス)」第2回)
津田 雄一森 治白澤 洋次三桝 裕也澤田 弘崇船瀬 龍遠藤 達也山本 高行田中 孝冶横田 力男川口 淳一郎
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2012 年 60 巻 10 号 p. 357-363

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抄録
本稿では,小型ソーラー電力セイル実証機IKAROSのセイル展開方式として採用した,遠心力展開方式について, JAXAにて著者らが行ってきた研究開発を概説する. IKAROSは世界に先駆けてJAXAが実施したソーラー電力セイル技術の宇宙技術実証であり,宇宙機全体のスピンによる遠心力を利用してセイルの展開・展張をするという独特な方式を採用している.著者らは,軽量かつスケーラブルなセイル展開システムとして遠心力展開方式を採用し,研究開発を行ってきた.本活動は, 2002年にJAXA内に発足したソーラーセイルワーキンググループが中心となり,全国の多数の大学研究機関とともに行ってきたものである.最終的な目標はφ50m級のソーラー電力セイルを実現することにあり,φ20m級のセイルを搭載したIKAROSはその最終段階の宇宙技術実証試験と位置付けられたものである.ここでは,本研究開発活動の主要な柱である遠心力展開技術について紹介し, IKAROSプロジェクト発足以前に著者らが行ってきた主要な試験プロセスと数値シミュレーション技術について概説する.
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© 2012 一般社団法人 日本航空宇宙学会
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