2015 年 63 巻 10 号 p. 321-325
全球降水観測(GPM)計画は,二周波降水レーダ(DPR)とGPMマイクロ波放射計(GMI)を搭載した,日米共同ミッションであるGPM主衛星による全球降水量の高感度・高精度観測と,GPMパートナー機関が提供するコンステレーション衛星群に搭載されたマイクロ波イメージャやサウンダによる全球降水量の広範囲・高頻度観測の二本立ての計画である.これらの衛星群のデータを利用して作成されるのが,衛星全球降水マッププロダクトであり,日米それぞれにおいて,独自に開発されている.本稿では,日本の衛星全球降水マッププロダクトであるGSMaPの概要と初期の検証結果,ならびに,さまざまな分野におけるGSMaPの利用について紹介する.