2015 年 63 巻 8 号 p. 247-252
大学宇宙工学コンソーシアム(UNIversity Space Engineering Consortium,以下UNISECと表記)は設立以来,学生チームがプロジェクトを企画し,学生自身の手で設計・製造・運用までを一体的に実施することに主眼を置いた,実践的な宇宙教育活動を行ってきた.学生チームの作った輸送機により学生チームが作った衛星を実際に宇宙にまで打ち上げ運用を行うことが将来的な目標ではあるが,現時点では既存の輸送系により学生の製造・運用する衛星が宇宙へと打ち上げられるに留まっている.本稿では宇宙に至るまでの途中経過とし,衛星側・輸送機側の地球上での教育的な取組として実施されてきた,Cansatおよびハイブリッドロケット等の宇宙工学教育のこれまでの経緯と今後の課題に関して解説を行う.