2018 年 66 巻 10 号 p. 314-320
近年,欧州においても実フライトレイノルズ数域を対象とした,実機を用いたフライト試験やEuropean Transonic Windtunnel(ETW)などの高レイノルズ数低温風洞に適用可能な計測技術の開発が精力的に行われてきている.フライト試験における先進的計測技術の研究開発がEUプロジェクトAdvanced In-Flight Measurement Techniques(AIM,AIM2)として2006~2013年に行われた.著者らはDLRの感圧塗料(Pressure-Sensitive Paint : PSP)グループとしてPSPをフライト試験に適用するWorking Package(WP)を担当した.フライト試験では飛行高度による気流温度の変化が大きく,赤外線カメラを用いて温度補正を行った.その他にも高レイノルズ数風洞である低温風洞においては感温塗料(Temperature-Sensitive Paint : TSP)を用いた境界層遷移の可視化や,Particle Image Velocimetry(PIV)による流速計測,変形計測などが盛んに行われている.本論では欧州における実フライトレイノルズ数域の先進計測技術の現状について紹介する.