2018 年 66 巻 11 号 p. 338-340
C-2輸送機(以下「C-2」という)は航空自衛隊が運用する輸送機C-1等の後継として,2010年代以降,有事の他,平和維持活動,国際緊急援助活動等の国外運行業務を含む航空輸送任務に使用する目的で開発された輸送機である.本稿は,C-2の強度試験のうち,平成18年11月から平成28年11月にかけて行われた全機静強度試験について述べる.試験には,荷重・与圧制御280ch,計測7,200chを有する試験装置を使用し,試験荷重負荷のため,電気油圧式サーボ・アクチュエータ等を用いて空力荷重等を模擬した負荷を行った.運用される実機と構造的に同じ供試体により,操縦系統試験,地上荷重試験,局部荷重試験,飛行荷重試験等の122ケースの試験を実施し,C-2の機体構造が設計要求を満たす静強度を有していることを確認した.