日本航空宇宙学会誌
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特集 脱化石燃料・水素・電動航空機技術 第7回
超電導推進を用いた水素航空機の概念検討
田口 秀之小林 弘明小島 孝之岡井 敬一
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2018 年 66 巻 2 号 p. 41-46

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抄録

超電導推進システムを使用する水素航空機の概念検討を行った.従来のターボファンエンジンに比べてバイパス比を向上させて低騒音化と推進効率向上を図るため,超電導モータで駆動する分散ファンを備えた推進システムを想定し,設計仕様を設定した.超電導を維持するための冷媒としては,極低温の液体水素燃料を使用することを想定した.過去の超電導発電機/モータの開発事例を参考にして諸元を設定するとともに,設計回転数と分散ファン個数を変更して,質量の変化を評価した.結果として,回転子の周速を変えずに設計回転数を上昇させることで,超電導発電機/モータの寸法と質量を大幅に低減できる可能性があることを確認した.また,分散ファンについては,超電導モータの質量を低減するために,減速機と組み合わせて設計回転数をさらに向上させる必要があることを確認した.さらに,超電導発電機/モータの出力と質量の関係を整理した.

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© 2018 一般社団法人 日本航空宇宙学会
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