2018 年 66 巻 4 号 p. 89-97
航空機,航空主要部品の開発には認証の取得という課題があり,YS-11の後に本格的な民間航空機開発がなかった日本では,MRJ開発時の大きな課題となっている.今回,幅広い共通認識を図るとともに,課題についても掘り下げ,今後の更なる技術開発と航空産業の発展に資するため,2017年4月14日に第48期年会講演会特別企画として国内での認証取得に向けた体制の構築について関係者から発表を行った.最初に型式証明の流れ等航空機の認証制度に関して述べ,次に認証制度の実務や背景を把握するべく,米国のRTCAにおける活動内容,また認証の歴史的背景や取り組みの展望について発表を行った.さらに,認証取得体制の構築に向けての課題や今後の取り組みを発表して,特にプロセス認証やソフトウェア認証に関する理解を深め,最後に各国の産学一貫した人材育成等の実情について発表した.本稿は各講演の概要を紹介し,今後の取り組みに向けてのヒントを探るものである.