2019 年 67 巻 12 号 p. 401-406
平成29年4月に開催された日本航空宇宙学会第48期年会講演会において,空気力学部門の活動の1つとして「実フライトレイノルズ数への空気力学の挑戦」と題する企画セッションを実施した.この企画は近年大いに盛り上がっている国産航空機の開発と,それに伴うフライトテストの重要性に刺激を受けて立案されたものである.風洞試験と計算空気力学,それにフライトテストに関連する合計14の講演が行われ,大型輸送機から生物飛行に至る,様々なレンジのフライトレイノルズ数における話題が取り上げられた.本セッションの目的は,フライトレイノルズ数に係わる諸課題とその解決策の現状を把握することだけでなく,将来,我が国が航空機開発において世界と競争してゆくための方策を議論することにあった.そのため,全講演の終了後に時間を設け,参加者全員でフライトレイノルズ数に係わる空気力学の将来について討論を行った.本稿は,その討論会に先だって行われたアンケートの集計結果と討論結果をまとめたものである.