日本航空宇宙学会誌
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特集 小型推進系が切り拓く超小型衛星の未来 第8回
大阪工業大学・超小型月探査機プロイテレス3動力飛行用シリンドリカル型ホールスラスタの研究開発
田原 弘一小林 充宜川上 天誠多川 真登高田 恭子池田 知行
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2019 年 67 巻 2 号 p. 53-58

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抄録

近年,超小型人工衛星の打ち上げが増加している.超小型人工衛星は重量50kg程度の小さい人工衛星であり,コストやリスクが軽いことが増加の理由に挙げられ,大学の研究機関や企業が中心となり研究開発の増加が見られる.大阪工業大学ではプロジェクト「PROITERES(Project of Osaka Institute of Technology Electric-Rocket-Engine onboard Small Space Ship)」として超小型人工衛星の開発・製作を行っており,超小型月探査衛星プロイテレス衛星3号機の計画を立案している.月探査を達成するには推進機による軌道遷移が必要である.そこで,シリンドリカル型ホールスラスタ(Cylindrical Hall Thruster : CHT)に着目し,開発を行ってきた.50kgの超小型人工衛星に推進剤を15~20kg搭載したとすると,比推力が1,300~1,900s必要である.そこで投入電力50W程度,比推力1,300s以上を推進機の目標性能とした.また,CHTの作動は電子源が必要である.しかし,現在使用している電子源は消費電力が90Wと高く超小型人工衛星に適していない.そこで全く新しい電子源の開発を計画している.

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© 2019 一般社団法人 日本航空宇宙学会
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