2021 年 69 巻 5 号 p. 180-186
超低高度衛星技術試験機「つばめ」(以降,SLATS : Super Low Altitude Test Satellite)の姿勢制御用搭載機器である国産新型ホイール・タイプS は,10Nms以下クラスの国産リアクションホイール(RW)として開発された.本ホイールは,それまで輸入品に頼っていた小型RWに関して,高信頼性,高品質な国産品に対するユーザからのニーズにこたえるために開発を行ったものであり,SLATSに搭載され軌道上実証することとなった.本ホイールの地上での開発は順調に進み,2017年12月のSLATS打ち上げ後も約2年弱の運用期間にわたり軌道上で順調に動作し続け,機器特性や健全性等に関する貴重な結果をもたらした.本解説記事では,国産新型ホイール・タイプSの開発結果と軌道上での実証結果について紹介する.