2021 年 69 巻 7 号 p. 221-225
宇宙航空研究開発機構の航空技術部門では,エコウィング技術の研究開発事業において環境性能と経済性を向上させる空力技術及び構造技術の研究開発を行ってきた.本研究事業では,2020年代と2030年代に開発開始が想定される航空機への適用を目指し,航空機の抵抗低減や構造軽量化による燃料消費量削減及びCO2排出量低減を実現する技術と,空港騒音を低減するための設計基盤技術の研究を進めた.空力技術では,層流翼やリブレット,翼端形状などについて,構造技術では,複合材料の設計製作,光ファイバひずみ計測,荷重制御について取り組んだ.低騒音技術では,機体概念設計ツール,騒音解析評価ツール,実験手法を整備した.これらのうちの要素技術は,JAXAの技術参照機体形状に組み込み,燃料消費量と空港騒音を評価することで性能を確認した.本稿では,エコウィング技術の研究開発事業の概要について紹介する.