日本航空宇宙学会誌
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特集 はやぶさ2の10年の軌跡―開発から拡張ミッションまで 第4回
はやぶさ2カプセル回収オペレーション・カプセル係
澤田 弘崇
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2022 年 70 巻 12 号 p. 249-255

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抄録

宇宙航空研究開発機構(JAXA)の開発した小惑星探査機「はやぶさ2」は2018年6月に目標天体であるC型小惑星「リュウグウ」に到着後,約1年半の近傍ミッションフェーズを完遂した.この間,2回のタッチダウンおよびサンプル採取運用を成功させ,2019年11月にリュウグウを離脱,サンプルリターンカプセルを地球に帰還させるべく帰路に入った.約1年の地球帰還フェーズを経て,2020年12月6日にはやぶさ2はサンプルリターンカプセルを地球に帰還させることに成功し,計画通りオーストラリアのウーメラ立入制限区域内にカプセルを着陸させた.その後,オーストラリア現地に配置されたカプセル回収班によってカプセルは計画通りに回収され,カプセルから「リュウグウ」で採取したサンプルの入ったサンプルコンテナを分解して日本まで輸送,JAXA相模原キャンパスにあるキュレーション施設に搬入し,クリーンチャンバに導入した.本稿では,カプセル回収オペレーションにおいて,筆者が取りまとめとして活動したカプセル・サンプル係の視点から現地での回収オペレーション活動について紹介する.

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© 2022 一般社団法人 日本航空宇宙学会
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