2022 年 70 巻 9 号 p. 192-194
「JSASS宇宙ビジョン2050(増補版)」では,「地球と月の人間社会」が建設されることを想定し,その活動目標として,「人類の課題解決/産業構造の変革/新しい価値観の醸成/知の獲得/人類の生活圏拡大/宇宙活動の持続性確保」を掲げている.地球規模で全人類の関わりが必然となる「地球と月の人間社会」を実現するには,地球・月圏をグローバル・コモンズと見做し,文理融合の総合的な取り組みが不可欠になるだろう.そこで,これまでの宇宙開発利用に係る研究の中核である理学・工学・技術開発・医学の分野,そして,近年研究が進む宇宙法・国際政治の分野に加えて,人文・社会科学の分野に配される多彩な専門分野が連携した総合的な取り組みで,この壮大な課題の検討を開始した.この連載で,順次,その成果を伝える.