日本航空宇宙学会誌
Online ISSN : 2424-1369
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70 巻, 9 号
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特集 JSASS宇宙ビジョン2050 2021年度増補版 第3回
  • 庄司 研
    2022 年 70 巻 9 号 p. 187-191
    発行日: 2022/09/05
    公開日: 2022/09/05
    ジャーナル 認証あり

    月の縦孔とその先に続く地下空洞は月表面の放射線や飛来物,−170〜110℃の昼夜の温度変化といった厳しい環境の影響を受けない安全性の高い場所である(河野 功ほか,第63回宇宙科学技術連合講演会,2C06, 2019).月表面の短期滞在型の探査拠点での活動を支え,長期滞在を可能とする有人拠点を設けるには,月の地下空洞は有利な場所である.月面での緊張感のあるミッションに対して,これを補完する空間として,開放的でリラックスでき,居住者の負担を軽減できる場所が必要と考えられる.月面での生存環境に加え心理的な居住環境にも配慮した月の居住空間は様々な分野の技術が統合される形で実現する.そこで必要となる要素や留意事項について,建築的な視点からの提案の一例を示す.

連載 地球/月圏での人間社会の構築に向けた人文・社会科学研究
  • 高柳 雄一, 柳川 孝二
    2022 年 70 巻 9 号 p. 192-194
    発行日: 2022/09/05
    公開日: 2022/09/05
    ジャーナル 認証あり

    「JSASS宇宙ビジョン2050(増補版)」では,「地球と月の人間社会」が建設されることを想定し,その活動目標として,「人類の課題解決/産業構造の変革/新しい価値観の醸成/知の獲得/人類の生活圏拡大/宇宙活動の持続性確保」を掲げている.地球規模で全人類の関わりが必然となる「地球と月の人間社会」を実現するには,地球・月圏をグローバル・コモンズと見做し,文理融合の総合的な取り組みが不可欠になるだろう.そこで,これまでの宇宙開発利用に係る研究の中核である理学・工学・技術開発・医学の分野,そして,近年研究が進む宇宙法・国際政治の分野に加えて,人文・社会科学の分野に配される多彩な専門分野が連携した総合的な取り組みで,この壮大な課題の検討を開始した.この連載で,順次,その成果を伝える.

連載 地球/月圏での人間社会の構築に向けた人文・社会科学研究 第1回
  • 柳川 孝二
    2022 年 70 巻 9 号 p. 195-202
    発行日: 2022/09/05
    公開日: 2022/09/05
    ジャーナル 認証あり

    「人類の宇宙進出」は,ロシア宇宙飛行士ガガーリンが地球を周回して以来,半世紀を経ている.初期の頃は,訓練を受けた職業宇宙飛行士が死をも覚悟して宇宙に飛び出していたが,現在は,一般人のグループがツアーを楽しみ,無事に地球に帰還する迄になっている.また,米国主導で進められる「アルテミス計画」は,2025年頃に月を再訪する計画である.そして,この活動に賛同する12カ国が「アルテミス合意」を結び,それぞれの活動を始めている.さらに,同じ頃に,月周回ツアーが民間活動として行われると喧伝される.これらを踏まえて,この報告では,1)人々が宇宙に行くことの想いの変遷と実際を概観し,さらに,2)種々の視点から現状を踏まえ,活動領域を地球/月圏に拡げて得られる新たな人間社会への可能性を言及する.そして,3)その一例として「有限な地球での人口/エネルギー問題」の宇宙からの解決案を提示する.

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