2023 年 71 巻 11 号 p. 283-288
宇宙エレベーターの輸送方式として,一般的に検討されているケーブルに沿ってクライマを昇降するクライマ方式に対し,ステーションに動輪を設け,動輪を回転させることでケーブルを昇降させてケーブル端のゴンドラを上下させるカウンターウェイト方式を新たに提案し,GEOを境に地上側と宇宙側に適用した場合についてその性能評価を行った.その結果,GEOから地球側においては,カウンターウェイト方式の運用を行う区間を短く設定することでケーブル同士の干渉は起きず安全に運用することが可能となり,クライマ方式よりエネルギーが少なくて済むことが分かった.さらにGEOより宇宙側ではより広い運用区間で作動エネルギーの点でクライマ方式より有利になることが分かった.