日本航空宇宙学会誌
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71 巻, 11 号
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特集 宇宙エレベーターの最新研究動向
特集 宇宙エレベーターの最新研究動向 第1回
  • 山極 芳樹, 大塚 清敏, 石川 洋二
    2023 年 71 巻 11 号 p. 283-288
    発行日: 2023/11/05
    公開日: 2023/11/05
    ジャーナル 認証あり

    宇宙エレベーターの輸送方式として,一般的に検討されているケーブルに沿ってクライマを昇降するクライマ方式に対し,ステーションに動輪を設け,動輪を回転させることでケーブルを昇降させてケーブル端のゴンドラを上下させるカウンターウェイト方式を新たに提案し,GEOを境に地上側と宇宙側に適用した場合についてその性能評価を行った.その結果,GEOから地球側においては,カウンターウェイト方式の運用を行う区間を短く設定することでケーブル同士の干渉は起きず安全に運用することが可能となり,クライマ方式よりエネルギーが少なくて済むことが分かった.さらにGEOより宇宙側ではより広い運用区間で作動エネルギーの点でクライマ方式より有利になることが分かった.

特集 亜音速機の環境性能を向上させるエコウィング技術の研究開発成果紹介 第8回
  • 村山 光宏
    2023 年 71 巻 11 号 p. 289-294
    発行日: 2023/11/05
    公開日: 2023/11/05
    ジャーナル 認証あり

    宇宙航空研究開発機構(JAXA)の航空技術部門では,エコウィング技術の研究開発事業において環境性能と経済性を向上させる空力技術及び構造技術の研究開発を行ってきた.本研究開発事業では,2020年代から2030年代に開発開始が想定される航空機への適用を目指し,航空機の抵抗低減や構造軽量化による燃料消費量削減及びCO2排出量低減を実現する技術と,空港騒音を低減するための設計基盤技術の研究を進めた.本稿では,このうち空港周辺の騒音を低減するための航空機設計基盤技術として整備を行った騒音解析技術,機体によるエンジンファン騒音遮蔽効果試験・解析技術及び空港騒音推算技術の研究開発について紹介する.

特集 航空宇宙技術遺産第一号 第4回
  • 杉村 文隆, 鈴木 一義
    2023 年 71 巻 11 号 p. 295-297
    発行日: 2023/11/05
    公開日: 2023/11/05
    ジャーナル 認証あり

    ネ 20は,日本初,世界でも最初期の実用ジェットエンジンであり,我が国の民間用を含むジェットエンジン開発の先駆けとなった.海軍航空技術廠は,ドイツから入手した限られた図面と見聞した情報を参考に,独自の研究成果に基づいたジェットエンジン(ネ 20)の設計,試作を行った.設計作業開始からわずか8カ月後の1945年8月7日には,ネ 20を搭載した橘花が高度600m,飛行時間12分間の初飛行に成功した.以上より,日本初の純国産ジェットエンジンと称するにふさわしく,航空宇宙技術遺産として認定する.

特集 航空交通データの分析とその利活用 第10回
  • アンドレエバ森 アドリアナ, 生地 将英
    2023 年 71 巻 11 号 p. 298-304
    発行日: 2023/11/05
    公開日: 2023/11/05
    ジャーナル 認証あり

    近年の航空交通流増加に伴い,効率的な運航の重要性が増している.到着空港が混雑により到着可能な容量を超過する場合,着陸可能な便が上空にいても着陸することができず,空中で待機することになる.そのような空港の需要と容量のバランスを保つために,航空交通流管理(Air Traffic Flow Management, ATFM)が行われる.航空交通流管理では,空中での待機が見込まれる便に対し,地上待機時間や空中待機時間といった遅延時間を指示することにより到着空港の混雑を緩和する交通流制御を行う.交通流制御のための主な制御パラメータは空中待機バッファと呼ばれる空中待機時間の上限値である.このバッファは現状,管制官の経験に基づき設定されているが,必ずしも最適な値とは限らない.本稿では,ATFMシミュレータによる最適な空中待機バッファを算出する研究を紹介する.本研究では不確定性を考慮した交通流シミュレーションを実施し,空中待機による燃費と空港の容量のバランスを考慮した定量的な指標に基づき最適なバッファ値を算出することを提案している.

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