2025 年 73 巻 5 号 p. 145-152
技術試験衛星9号機(Engineering Test Satellite-9: ETS-9)は,静止通信衛星の国際市場における我が国の衛星メーカの産業競争力を向上させるために開発を進めており,衛星バス技術について様々な技術開発と実証を行う計画である.衛星の軌道姿勢制御の観点では,静止衛星軌道においても使用することができる静止衛星搭載用GPS受信機を搭載し,観測した位置・速度情報を基にしたオンボード軌道決定値を用いた自律軌道姿勢制御技術の実証を実施する計画となっている.なお,この自律軌道姿勢制御技術の獲得は,衛星の運用コストの削減や高精度な軌道姿勢制御の実施にもつなげることが可能な技術となっている.ETS-9に搭載する静止衛星用GPS受信機はJAXAおよびNECスペーステクノロジーにて開発を行った機器であり,その開発結果およびETS-9での使用コンセプトや軌道上での実証計画について述べる.