日本航空宇宙学会誌
Online ISSN : 2424-1369
Print ISSN : 0021-4663
ISSN-L : 0021-4663
特集 プラネタリーディフェンス:天体の地球衝突問題に対処する 第7回
JAXAの太陽系天体探査におけるプラネタリーディフェンスへの貢献
岡田 達明三桝 裕也
著者情報
キーワード: Hayabusa2, Hayabusa2#, Hera, PHA
ジャーナル 認証あり

2025 年 73 巻 5 号 p. 153-158

詳細
抄録

我々の太陽系では,46億年前に原始太陽系円盤内で塵が集積して多数の微惑星(小天体)が形成され,衝突・合体を繰り返して地球を含む惑星系が形成されてきたが,太陽系内には多数の小天体が残存しており,天体どうしの衝突が現在も続いている.直径数10 mの天体が地球に衝突すれば,1908年のツングースカ大爆発のように,巨大都市全域が被災する広範囲かつ大規模な災害をもたらし得る.地上観測に基づく軌道予測から,今後100年程度で地球に衝突する可能性があるのは直径数10 mの小惑星である.それらの衝突を回避する手段の構築や,地球衝突した場合の災害規模の推定には,探査機を送って小型の小惑星の表層状態や物性の直接調査,さらに衝突回避に必要となる探査技術の習得が喫緊の課題である.本稿では,JAXAが太陽系天体の探査計画において進めている惑星科学的・探査工学的なプラネタリーディフェンスへの貢献内容について概説する.

著者関連情報
© 2025 一般社団法人 日本航空宇宙学会
前の記事 次の記事
feedback
Top