北関東医学
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原著
介護支援専門員が認識する対応困難事例の特徴
齋藤 智子佐藤 由美
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2006 年 56 巻 4 号 p. 319-328

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抄録

【目 的】 介護支援専門員が認識する対応困難事例の特徴を明らかにすることを目的とした. 【対象と方法】 N県内の居宅介護支援事業所に所属し, ケアマネジメントを行っている介護支援専門員16名を対象に, グループインタビューを実施した. 今までのケアマネジメントの中で, 対応困難を感じた状況・場面と具体的な困難内容について聴取し, 質的帰納的に分析した. 【結 果】 介護支援専門員の対応困難は, ケアマネジメントプロセスの「計画立案」「実施」の段階で多く認識されており, 困難内容は, 家族内の調整, サービス利用の説得, 専門的対応を必要とする課題に対する対応等, ケアマネジメントに十分な時間をかけることを必要とし, また専門的知識や適切な支援者との連携を必要とする内容であった. 【結 論】 介護保険制度下におけるケアマネジメントの質の向上のために, 介護支援専門員が認識する対応困難の特徴をふまえた支援を行っていく必要がある.

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© 2006 北関東医学会
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