北関東医学
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症例報告
メフロキンの最大量投与が有効であった熱帯熱マラリアの一例
田口 亮最上 恭至奥 裕子佐藤 浩子大山 良雄川田 悦夫田村 遵一鈴江 一友野崎 智義
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2008 年 58 巻 3 号 p. 311-314

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抄録

 症例は37歳男性マリ人. 来日後7日目に発熱, 咽頭痛, 水様性下痢にて発症した. 血液検査では貧血と血小板減少を認め, 母国マリ共和国への渡航歴からマラリア感染を疑い, 末梢血塗末標本にて原虫を確認し, 熱帯熱マラリアと診断した. メフロキンを治療薬として選択し, 1,650mgの最大量投与にて治療を開始したところ, 速やかな解熱と全身状態の改善を認めた. 熱帯熱マラリアは容易に重症化や死亡に至る疾患であるため迅速な治療開始が必須であると同時に, 薬剤耐性マラリアを考慮した適切な治療薬の選択が重要である.

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© 2008 北関東医学会
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