北関東医学
Online ISSN : 1881-1191
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原著
外来化学療法における末梢神経障害の特徴に基づく看護支援の検討
- 副作用症状の自己記録ノートの分析から -
高橋 裕美神田 清子武居 明美外丸 冨美子瀬山 留加二渡 玉江堀越 政孝
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2010 年 60 巻 2 号 p. 143-149

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抄録
【目 的】 外来化学療法を受ける患者の末梢神経障害の特徴を把握し, 看護支援を検討する. 【対象と方法】 A病院の外来化学療法センターに通院している患者84名を対象とし, 自己記録ノートにおいて, 治療当日から3クール治療前日までの最長43日間の末梢神経障害の項目を調査した. 【結 果】 FOLFOX (フルオロウラシル, オキサリプラチン) : 81%と高い割合で出現しており, ピークは治療後4日間であり, 次回治療まで継続する傾向にあった. TXL (パクリタキセル) : 59.1%に出現し, ピークは治療日から4日前後であり, 低Gradeで持続する傾向にあった. FEC (フルオロウラシル, シクロホスファミド, 塩酸エピルビシン) : 44%に出現しており, 低Gradeだが, 中にはGrade 3の日常生活に支障をきたす程の悪化もみられた. TXT (ドセタキセル) : 43.8%に出現しており, 多くがGrade 1であった. 【結 語】 末梢神経障害ピーク時には苦痛緩和に重点を置き, 患者の生活に即した具体的な対処の提案が必要であることが示唆された.
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© 2010 北関東医学会
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